ラフへ入ったボールを見つけて、そのままショット。
ところが近づいて確認すると、
「これ、自分のボールじゃなかった……」
競技なら一気に焦る場面です。
ゴルフでは、自分の正しい球ではない球をプレーすることを誤球と呼びます。
では、他人のボールを打つと何打罰なのでしょうか。
結論を先にまとめます。
| 状況 | ストロークプレー |
|---|---|
| 他人の球を打った | 2罰打 |
| 誤球で打ったショット | 数えない |
| その後 | 正しい自分の球へ戻る |
| 訂正せず次ホールを開始 | 失格 |
R&A規則6.3cでは、ストロークプレーで誤球をプレーすると一般の罰=2罰打です。
さらに、正しい球へ戻って誤りを訂正する必要があります。
ここをもう少し詳しく見ていきましょう。
ゴルフの誤球とは?
誤球というと、
「他人のボールを打つこと」
を思い浮かべるでしょう。
もちろん、それが代表例です。
しかし、規則上の誤球はもう少し広い意味があります。
R&Aでは、自分のインプレーの球、正しく扱われている暫定球などを除く球を誤球と定義しています。
例えば、
- 他のプレーヤーの球
- コースに落ちていたロストボール
- すでに紛失球となった自分の球
- OBとなった自分の球
- 放棄しなければならない暫定球
なども誤球になる場合があります。
つまり、自分が最初に打ったボールなら必ず正球とは限りません。
他人のボールを打つと何打罰?
通常のストロークプレーなら2罰打です。
規則6.3cでは、誤球をプレーした場合に一般の罰が科されます。
ストロークプレーの一般の罰は2罰打です。
例えば、2打目で誤球を打ったとします。
その時点で、
「今のショット+2打で次が5打目?」
と思うかもしれません。
しかし、そうではありません。
ここが誤球ルールで間違えやすい部分です。
誤球で打ったショットはスコアに数えない
誤球に対して行ったストロークはスコアに数えません。
その後、間違いに気づかず同じ誤球をもう1回打ったとしても、そのストロークも数えません。
R&Aは、誤球をプレーしたストロークと、訂正するまでにその誤球へ行った追加のストロークはカウントしないと定めています。
例えば、
1打目 ティーショット
2打目 他人の球を打ってしまった
その後、誤球だったと判明
なら、
誤球を打った1ストロークは数えず、2罰打を加えて自分の正しい球からプレーを再開
します。
したがって、自分の正しい球からの次のストロークは4打目になります。
正しい球はどこからプレーする?
「誤球した場所から打ち直す」
わけではありません。
自分の正しい球へ戻ります。
規則6.3cでは、元の球をあるがままにプレーするか、適用できる規則があれば救済を受けてプレーを続けます。
例えば、
自分の球は右ラフ。
似たボールを左ラフで見つけて誤球した。
この場合は、左ラフから打ち直すのではありません。
右ラフに残っている自分の正しい球へ戻ります。
ここは覚えておきたいところです。
誤球に気づかず次のホールへ行ったら?
これはかなり重い罰になります。
ストロークプレーでは、誤球を訂正せずに次のホールを始めるためのストロークを行うと失格です。
最終ホールなら、スコアカードを提出する前に訂正する必要があります。
つまり、
「2罰打を付けて、そのまま誤球でホールアウト」
ではダメです。
競技中に誤球へ気づいたら、プレーを急いで続けず、まず正しい処置を確認しましょう。
自分のボールを他人に打たれたらどうなる?
逆のケースもあります。
自分のボールを、同伴競技者が間違えて打ってしまった場合です。
この場合、自分には罰はありません。
規則6.3c(2)では、自分の球が別のプレーヤーによって誤球としてプレーされたことが分かっている、または事実上確実なら、元の場所へ球をリプレースします。
元の球が見つからなければ、別の球を使うこともできます。
また、正確な位置が分からない場合は、その場所を推定します。
つまり、
打った人 → 誤球の罰
打たれた人 → 無罰で元の位置へ球を戻す
と考えると分かりやすいでしょう。
マッチプレーで誤球するとどうなる?
マッチプレーでは罰が違います。
誤球をプレーするとそのホールの負けです。
2罰打ではありません。
さらに、プレーヤーと相手が互いの球を打った場合は、最初に誤球をプレーした方がホールの負けになります。
ただし、どちらが先に誤球をプレーしたか分からない場合は罰なし。
その場合は、入れ替わった球のままホールを続けます。
ストロークプレーとはかなり違うので注意しましょう。
同じメーカー・同じ番号ならどうやって確認する?
実際のラウンドで怖いのがこれです。
例えば同じ組で、
Titleist Pro V1の「2」
を2人とも使っている。
珍しいことではありません。
規則7.2では、ブランド、モデル、番号、状態などから自分の球を確認できる場合があります。
しかし、同じ区域にまったく同じ球があり、どちらが自分の球か区別する方法がない場合は、それだけでは自分の球と確認できません。
そのため、競技では識別マークが非常に役立ちます。
ボールを拾って確認してもいい?
ラフに半分埋まっていて、ロゴやマークが見えない。
そんな場合は、確認のために球を拾い上げることができます。
ただし、好きに拾ってよいわけではありません。
規則7.3では、
①まず球の位置をマークする
②確認に必要な範囲だけ球を持ち上げる、または回す
③確認に必要以上に球をきれいにしない
④元の場所へリプレースする
という手順が必要です。
確認する合理的な必要がないのに拾った場合や、位置をマークしなかった場合などは1罰打となることがあります。
「自分の球かな?」
と少しでも不安なら、打つ前に確認する方が圧倒的に安全です。
誤球を防ぐならボールに識別マークを入れる
誤球は、打ってしまった後の処置より予防の方が簡単です。
R&Aの規則6.3aでも、プレーヤーは球に識別マークを付けることが推奨されています。
私は競技で使うボールには、自分で分かる識別マークを入れるようにしています。
同じメーカー、モデル、番号を使っている人がいても、マークを見ればすぐ判断できます。
特に、
- 深いラフ
- 林の中
- 落ち葉が多い場所
- 隣のホールから球が飛んできやすい場所
では有効です。
番号を変えるだけでも誤球防止になる
私は識別マークに加えて、スタート前に同伴競技者のボールを確認しておくのも有効だと思います。
例えば、
「私はPro V1の3番です」
と伝えるだけでも違います。
同じモデルなら番号を変える方法もあります。
ただし、番号だけを頼りにするより、自分独自のマークを追加した方が確実です。
競技ではスタート前に、
メーカー・モデル・番号・識別マーク
を確認する習慣を付けておくと安心です。
ワンボールルールと誤球は別のルール
ここも混同しないようにしましょう。
「同じボールを使わなければならない」という話には、ローカルルールひな型G-4のワンボールルールがあります。
これは誤球とは別です。
G-4が採用された競技では、ラウンド中に使用する球を、適合球リスト上の同じブランド・同じモデルに統一する必要があります。
R&Aは、このローカルルールをプロやエリートアマチュアなど、高い技量の競技に限定して使うことを推奨しています。
一般的な月例などで必ず適用される規則ではありません。
競技条件を確認しましょう。
誤球したときの対処を3ステップで覚える
ストロークプレーなら、次の3つだけ覚えておくと分かりやすいです。
①誤球だと分かったら、その球を打つのをやめる
↓
②2罰打を受ける
↓
③自分の正しい球へ戻ってプレーする
そして、誤球に対して打ったショット自体は数えません。
次のホールを始める前に必ず訂正します。
これだけでも、競技中に慌てにくくなるでしょう。
まとめ|誤球は2罰打より「訂正を忘れない」ことが重要
ゴルフで他人のボールを打つと、ストロークプレーでは2罰打です。
ただし、誤球を打ったストローク自体はスコアへ数えません。
そして、自分の正しい球へ戻ってプレーを続けます。
覚え方は、
誤球 → 2罰打 → 誤球のショットは不算 → 正球へ戻る
です。
さらに重要なのが、次のホールを始める前に訂正すること。
訂正しなければ失格になります。
とはいえ、一番良いのは誤球しないことです。
競技前にはボールへ識別マークを入れましょう。
そしてラフや林で少しでも怪しいと感じたら、打つ前に確認する習慣を付けておくのがおすすめです。

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