ティーショットが林へ入り、球は見つかった。
しかし、木の根元でクラブを振れない。
こんな場面で覚えておきたいのがアンプレヤブルの救済です。
ペナルティーエリアを除けば、プレーヤー自身が「この球はプレーできない」と判断できます。
そして、ジェネラルエリアやグリーンでは、基本的に1罰打で3つの救済方法から選択できます。
覚え方は簡単です。
①前の場所へ戻る
②ホールと球を結んで後ろへ下がる
③球から2クラブレングス以内へ出す
この記事では、アンプレヤブルの3つの救済を図解するイメージで解説します。
※正式なゴルフ規則の表記は「アンプレヤブル」ですが、日常会話やゴルフ場では「アンプレアブル」と発音・表記されることも多く、どちらを使っても意味やルール上の違いはありません。
アンプレヤブルとは?
アンプレヤブルとは、プレーヤーが自分の球をその場所からプレーしないと判断し、罰ありの救済を受けるルールです。
たとえば、次のような状況で使えます。
- 木の根元に球が止まった
- 深いブッシュへ入った
- 木の枝がスイングを邪魔する
- 急斜面で打つのが危険
- 無理に打つと大叩きしそう
重要なのは、「物理的に絶対打てない」必要はないことです。
規則19では、アンプレヤブルとして扱うかを決められるのはプレーヤー本人だけと定めています。
ただし、ペナルティーエリア内ではアンプレヤブルの救済は使えません。
池や赤杭・黄杭の中では、規則17によるペナルティーエリアの救済を使います。
詳しくは、ゴルフルールで迷わない!池ポチャの正しい救済方法をご覧ください。
誰がアンプレヤブルと判断する?
判断するのはプレーヤー自身です。
同伴競技者やキャディーが「これは打てない」と決めるわけではありません。
逆に、クラブが振れそうな状況でも構いません。
「ここから打つより1罰打で出した方が得」と考えれば、アンプレヤブルを選択できます。
競技では、この考え方が意外に重要です。
無理に林から横へ出して木に当てれば、さらに1打を失う可能性があります。
それなら、最初から1罰打を受けて安全な場所へ出す方が、結果的にスコアを守れることもあります。
アンプレヤブルで使える3つの救済
ジェネラルエリアやパッティンググリーンでは、次の3つから選びます。
どの方法も1罰打です。
方法① ストロークと距離の救済
最も分かりやすい方法です。
直前のストロークを行った場所へ戻って打ち直します。
図解イメージ
前に打った場所 ● ← 戻る 🌲 球
たとえば、ティーショットが林の奥深くへ入った場合。
ほかの2つの救済でも林から出せないなら、ティーイングエリアへ戻る選択肢があります。
また、この方法だけは元の球が見つからなくても利用できます。
一方、後方線上とラテラル救済では、元の球の場所が分かっている必要があります。
方法② 後方線上の救済
次は、ホールと元の球を結んだ線を使う方法です。
ホール → 元の球 → 後方
という一直線をイメージします。
その線上であれば、後ろへ下がる距離に制限はありません。
図解イメージ
⛳ ホール ── ● 元の球 ───── → 後方へ
後方線上へ球をドロップします。
そして、球が線上で最初に地面へ触れた場所を基準に、1クラブレングスの救済エリアができます。
ここは以前のルールを覚えている人ほど注意したい部分です。
2026年のJGAルールテスト練習問題でも、この「ドロップした球が最初に線上へ触れた場所」が取り上げられています。
方法③ ラテラル救済
林で最も使う機会が多そうなのがラテラル救済です。
元の球の位置を基点にします。
そこから2クラブレングス以内で、ホールへ近づかない場所へドロップします。
図解イメージ
⛳ ホール
↑ 近づくのはNG
← 2CL ● 球 2CL →
左右へ逃げられるため、木の根元から少し離れたい場面では便利です。
ただし、2クラブレングス動かしても木やブッシュから出られない場合があります。
そのときは、後方線上やストロークと距離の方が有利でしょう。
競技でルールを確認するなら1冊あると便利
私も競技に出るようになると、アンプレヤブルだけでなく、ドロップや救済エリアなど細かなルールを確認する機会が増えました。
JGA公式アプリなら無料で規則を確認できます。一方、スマホではなく紙で確認したい人には、持ち運びやすいゴルフルール本も便利です。
Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングで、最新版を確認してみてください。
2クラブレングスはどこから測る?
ラテラル救済では、元の球があった場所が基点です。
そこから2クラブレングスの救済エリアを測ります。
ここでいう「1クラブレングス」は、好きなクラブの長さではありません。
規則上は、ラウンド中に持っているパター以外で最も長いクラブの長さです。
多くのゴルファーならドライバーになるでしょう。
ただし、ドロップした球は基点よりホールへ近づいてはいけません。
「2クラブ分ならどこでもいい」と覚えると、競技では間違える可能性があります。
バンカーでアンプレヤブルにしたら?
バンカーでは少しルールが変わります。
1罰打で選べる基本の3つは同じです。
ただし、後方線上とラテラル救済を選ぶ場合、球は同じバンカー内にドロップし、そのバンカー内に止まる必要があります。
つまり、
- ストロークと距離:1罰打
- 後方線上:1罰打、バンカー内
- ラテラル:1罰打、バンカー内
となります。
さらに、バンカーには特別な4つ目の選択肢があります。
合計2罰打を受ければ、後方線上でバンカーの外へ出すことができます。
深いアゴの近くなど、バンカー内のどこへドロップしても厳しい場合に使える救済です。
なお、ストロークと距離の救済では直前のショット位置へ戻ります。
その前打地点がバンカー外なら、1罰打で結果的にバンカーの外から打つこともできます。
林の中ではどの救済が得なのか?
ルールを知るだけでなく、どの方法を選ぶかも重要です。
私なら、まず「次の1打で確実にトラブルから出られるか」を考えます。
横へ2クラブで出られるならラテラル救済
木の根元から少し横へ動けば、フェアウェイ方向へ出せる。
このような場合はラテラル救済が使いやすいでしょう。
ただし、ドロップ後も枝が邪魔なら意味がありません。
先に2クラブレングスの範囲を確認します。
後ろへ下がれば視界が開くなら後方線上
球の真横は木だらけでも、後方へ下がれば打てる場所がある。
そんな場合は後方線上が候補です。
後ろへ下がる距離に制限がない点もメリットです。
どこへ出しても厳しいなら前打地点へ戻る
林の奥へ入り、2クラブ動かしても状況が変わらない。
後方線上にも打てる場所がない。
その場合は、ストロークと距離で戻る方が確実です。
1罰打を嫌って無理に打ち、さらに林の奥へ入れば大叩きにつながります。
月例競技では、ナイスショットを増やすことだけがスコアメイクではありません。
ダブルボギーをトリプル以上にしない判断も大切だと私は考えています。
トラブル時こそ残り距離を把握したい
林からアンプレヤブルで出す場合、私は「とにかくフェアウェイへ出す」だけでなく、その後に何ヤード残るかも考えたいです。
たとえば残り150ヤード地点へ出すのか、多少後ろでも安全な場所へ出すのか。
この判断では、レーザー距離計があると状況を整理しやすくなります。
競技で使う場合は、高低差表示をオフにできる競技対応モデルか確認して選びましょう。
競技で間違えやすいポイント
ペナルティーエリアでは使えない
赤杭や黄杭の中では、規則19のアンプレヤブルではありません。
規則17の救済を使います。
球の位置が分からないと2つの救済は使えない
後方線上とラテラル救済には、元の球の場所が必要です。
球を見つけられない場合、アンプレヤブルとしてこの2つを使うことはできません。
ラテラルは2クラブレングス
後方線上の救済エリアは1クラブレングスです。
一方、ラテラル救済は2クラブレングスになります。
ここを混同しないようにしましょう。
誤った場所からプレーしない
救済エリアを間違え、そのままプレーすると誤所からのプレーになります。
規則19.2や19.3に違反した誤所からのプレーには、一般の罰が適用されます。
競技では、分からないまま「この辺でいいだろう」とドロップしないことが大切です。
ジェネラルエリアの基本ルールは、ジェネラルエリアのルール!罰打を防ぐ正しい処置7選でも紹介しています。
まとめ|アンプレヤブルは1罰打で3つから選ぶ
アンプレヤブルは、トラブルから安全に抜け出すためのルールです。
ジェネラルエリアでは、基本的に1罰打で3つの救済から選べます。
覚え方は次のとおりです。
①前の場所へ戻る
ストロークと距離の救済。
②球から後ろへ下がる
後方線上の救済。
③球から横へ2クラブ
ラテラル救済。
ただし、ペナルティーエリアではアンプレヤブルを使えません。
また、バンカーから後方線上で外へ出す場合は合計2罰打です。
林へ入ると、「何とか1打で出したい」と考えてしまいます。
しかし、無理に打つことが最善とは限りません。
1罰打を受けても、次を安全に打てる場所へ出す。
競技ゴルフでは、その判断が大叩きを防ぐこともあります。
まずは「戻る・後ろ・横2クラブ」の3つを覚えておきましょう。

コメント