軟鉄鍛造アイアンとは、軟鉄を鍛造してヘッドを成形したアイアンです。
「FORGEDって何?」
「鋳造より打感が良い?」
と疑問に思う人も多いでしょう。
結論として、鍛造と鋳造はヘッドを作る方法が違います。
ただし、鍛造だから必ず打感が良い、難しい、高性能とは限りません。
素材やヘッド構造まで合わせて見ることが大切です。
軟鉄鍛造アイアンとは?
「FORGED」は、英語で鍛造を意味します。
日本鍛造協会では、金属材料へ圧力や打撃を加え、目的の形へ加工する方法を鍛造と説明しています。
ゴルフでは、S20Cなどの軟鉄を使った鍛造アイアンが代表的です。
例えば、2026年9月4日に発売されたブリヂストン B-FORGED 100CBも、S20Cの軟鉄を鍛造して作られています。
一方、「FORGED」と書いてあっても構造は同じとは限りません。
ここは後ほど詳しく説明します。
鍛造と鋳造は作り方が違う
鍛造と鋳造の一番分かりやすい違いは、金属を形にする方法です。
| 比較 | 鍛造 | 鋳造 |
|---|---|---|
| 基本的な作り方 | 金属へ圧力・打撃を加えて成形 | 溶かした金属を型へ入れて固める |
| 英語表記 | FORGED | CAST |
| 形状 | 加工工程を重ねて成形 | 複雑な形状を作りやすい |
| 打感 | 素材・構造と合わせて決まる | 素材・構造と合わせて決まる |
| 難しさ | 製法だけでは決まらない | 製法だけでは決まらない |
日本鋳造工学会では、鋳造を「液体から固体を作る技術」と説明しています。
つまり、鍛造と鋳造はまず製造方法の違いです。
ここを「上級者用と初心者用」の違いだと考えない方がよいでしょう。
なぜ軟鉄が鍛造アイアンに使われる?
現在の鍛造アイアンでは、S20Cなどの軟鉄がよく使われます。
実際、B-FORGED 100CBはS20Cを採用しています。
さらに、200CB+も#6〜PWはS20Cです。#4・#5にはS20Cに加えてタングステンを使っています。(ブリヂストン 200CB+)
軟鉄鍛造で注目したいのは、打感だけではありません。
ロフト角やライ角を調整できるモデルが多いこともメリットです。
ただし、調整できる範囲はモデルによります。
ブリヂストンでは、対応する軟鉄鍛造モデルについて、カタログ値からロフト・ライ角とも±1.5度までのアフター調整を案内しています。(ブリヂストン アフターサービス)
軟鉄鍛造アイアンは本当に打感が柔らかい?
ここは単純に、
「鍛造だから柔らかい」
と決めない方が正確です。
打感には、
- ヘッド素材
- フェースの厚み
- 打点部分の肉厚
- ヘッド構造
- 打音や振動
- ボール
なども関係します。
実際、ブリヂストンの100CBは、軟鉄鍛造というだけでなく、打点部分を厚くした「インパクトコア」を採用しています。
メーカーも、肉厚を増やしてインパクト時のフィーリングを高めたと説明しています。(ブリヂストン 100CB)
つまり、製法だけではなくヘッド設計まで含めて打感が作られているわけです。
私が三浦技研CB-302へ替えて感じた打感
私が三浦技研CB-302を選んだ理由の一つは、軟鉄鍛造アイアンへの憧れでした。
以前から「いつか軟鉄鍛造のアイアンを使いたい」という気持ちがありました。
その中でも、三浦技研のアイアンは見た目が格好良く、所有する満足感も大きかったです。
そして実際にCB-302を使うと、芯で捉えたときの打感も印象的でした。
ボールがフェースへ食いつくような柔らかい感覚があります。
一方、芯を外したときは硬さも伝わります。
そのため、打点の良し悪しも分かりやすいと感じています。
つまり、私の場合は、
「軟鉄鍛造への憧れ」
「三浦技研の格好良さ」
から入って、実際に使ってみて打感にも満足した、という流れです。
もちろん、軟鉄鍛造だからすべての人に合うわけではありません。
ただ、クラブは性能だけでなく、「これを使いたい」と思える気持ちも大切だと私は思っています。
PING i525から変更した経緯は、PING i525から三浦技研CB-302へ!打感とメンタルの変化で詳しく紹介しています。
軟鉄鍛造アイアンのメリット
主なメリットを整理すると、次の3つです。
打感を重視したモデルが多い
多くのメーカーが、軟鉄鍛造の特徴としてフィーリングを重視しています。
ただし、実際の感触はモデルごとに違います。
ロフト・ライ角を調整できるモデルがある
自分のスイングに合わせやすいのはメリットです。
また、長く使用する中で再調整できるモデルもあります。
フィードバックを感じやすいモデルがある
芯で打ったときと外したときの感触が分かりやすいモデルなら、練習時のフィードバックにもなります。
ただし、これも鍛造すべてに共通する性能ではありません。
軟鉄鍛造アイアンのデメリット
一方、注意点もあります。
まず、軟鉄はサビへの注意が必要です。
ブリヂストンも、軟鉄鍛造ヘッドについて、雨天後に水分を残すとサビが発生しやすいと案内しています。
また、価格も確認したいところです。
鍛造、研磨、CNC加工など複数工程を組み合わせるモデルもあります。
そのため、製品によっては価格が高くなります。
素材、構造、加工量、仕上げなどを含めて価格は決まります。
鋳造アイアンにもメリットがある
ここで重要なのが、
鍛造が上、鋳造が下ではない
ということです。
鋳造は、溶かした金属を型へ流して成形します。
そのため、複雑な重量配置や形状を作りやすいという利点があります。
例えば、やさしさや飛距離を優先したアイアンでは、設計自由度を生かせる場合があります。
したがって、ミスへの強さや飛距離を最優先する人なら、鋳造モデルが合うこともあります。
製法よりも、そのヘッドが自分に必要な性能を持っているかを確認しましょう。
鍛造アイアン=難しいアイアンではない
昔ながらのイメージでは、
「鍛造=小さいヘッドの上級者向け」
と思われがちです。
しかし、現在はそう単純ではありません。
2026年9月4日に発売されたB-FORGED 200CB+は、軟鉄鍛造をベースにしながら寛容性も追求しています。
#4・#5にはタングステンを配置。
さらに、インナーポケットとCNC加工も採用しています。(ブリヂストン 200CB+)
つまり、
鍛造=マッスルバック
ではありません。
キャビティでも、複合構造でもFORGEDは存在します。
軟鉄鍛造でも、操作性を重視したモデルから寛容性を持たせたモデルまで選べます。
B-FORGEDなら100CBと200CB+を比較すると、現在の鍛造アイアンの違いが分かりやすいでしょう。
現在のFORGEDアイアンは構造まで確認する
現在は「FORGED」という文字だけでは構造を判断できません。
例えば、PRGR 01 IRONはS20Cの一体型鍛造です。
一方、同じシリーズの02 IRONは、軟鉄鍛造ボディと別素材フェースを組み合わせています。
したがって、購入するときは、
素材:何を使っている?
製法:どこまで鍛造?
構造:一体型?複合?
まで確認すると分かりやすくなります。
「FORGED」と書いてあるだけで、すべて同じアイアンとは限りません。
軟鉄鍛造アイアンはどんな人に向いている?
私は、次のような人なら候補にしやすいと思います。
- 芯で打ったときのフィーリングを重視する
- 打点の感触を確認したい
- ライ角やロフト角を調整したい
- アイアンを長く使いたい
- 構えやすさや距離感を重視する
一方、飛距離や最大限の寛容性を最優先するなら、鋳造や複合構造も比較した方がよいでしょう。
最終的には、
鍛造か鋳造か
だけで決めないことが大切です。
まとめ|軟鉄鍛造は製法の一つ。性能はヘッド全体で判断する
軟鉄鍛造アイアンは、軟鉄へ圧力や打撃を加えて成形したアイアンです。
一方、鋳造は溶かした金属を型へ入れて成形します。
この2つは、まず製造方法が違います。
軟鉄鍛造には、打感を重視したモデルやロフト・ライ角を調整できるモデルが多くあります。
しかし、
鍛造=必ず柔らかい
鍛造=上級者向け
鋳造=性能が低い
という考え方はおすすめしません。
現在は鍛造キャビティや複合構造も増えています。
そのため、アイアンを選ぶなら製法だけでなく、
素材、構造、打感、寛容性、調整性
まで確認しましょう。
私はCB-302の軟鉄鍛造らしい打感を気に入っています。
ただし、アイアン選びで大切なのは「FORGED」の文字ではありません。
自分が狙った距離と方向へ打ちやすいか。
最後はそこを基準に選ぶのがよいと思います。

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