ゴルフシャフトの振動数とは?ドライバーの250CPM・260CPMを解説

ギア紹介

ゴルフ工房のクラブスペックを見ると、

「振動数250CPM」

「振動数260CPM」

という数字を見かけることがあります。

しかし、

「260CPMは硬いの?」

「Sフレックスなら何CPMくらい?」

「250と260では、かなり違う?」

と疑問に思う人も多いでしょう。

この記事では、主にドライバーシャフトの振動数について解説します。

結論から言うと、同じ測定条件なら250CPMより260CPMの方が、一般的には硬めの数値です。

ただし、CPMだけでシャフト全体の硬さや性能を判断することはできません。

クラブ長やヘッド重量、シャフト重量、測定方法によっても数字は変わります。

今回は最新シャフトの実測例も使いながら、振動数の見方を整理します。

シャフトの振動数CPMとは?

振動数は、クラブの硬さを見る指標の一つです。

単位はCPM(Cycles Per Minute)

クラブの手元側を一定条件で固定し、ヘッド側を振動させます。

そして、1分間に何回振動するかを測定した数字です。

基本的には、

CPMが高い → 硬め

CPMが低い → 柔らかめ

と考えます。

例えば同じドライバーを、同じ条件で測定した場合。

250CPMより260CPMの方が、振動数上は硬いということになります。

ただし、ここで重要なのが「同じ条件なら」という部分です。

250CPM・260CPMはドライバーシャフトの話

この記事で扱う250~260CPM前後は、主にドライバーを組み上げた状態で測る振動数として考えます。

ここを最初に明確にしておいた方が分かりやすいです。

なぜなら、アイアンでは300CPMを大きく超える数字も普通に出てくるからです。

例えば、

ドライバー:260CPM
アイアン:350CPM

だったとしても、

「アイアンの方が90CPMも硬い」

と単純比較することはできません。

クラブ長やヘッド重量、シャフト重量などが大きく違うためです。

したがってこの記事では、

ドライバーはドライバー同士でCPMを比較する

ことを基本にします。

最新26 VENTUS TR BLUEで見る250~270CPM

2026年モデルの26 VENTUS TR BLUEは、CPMを理解する分かりやすい実例です。

フジクラ公式では、26 VENTUS TR BLUEは5・6・7の重量帯を展開しています。5は61g、6は69.5gという設定です。

「みんなのゴルフダイジェスト」がQi4Dドライバーで実測した結果は、次の通りです。

シャフト重量振動数
26 VENTUS TR BLUE 5R61g241CPM
26 VENTUS TR BLUE 5S61g252CPM
26 VENTUS TR BLUE 6S69.5g262CPM
26 VENTUS TR BLUE 6X69.5g270CPM

かなり分かりやすい数字です。

5Rから5Sでは、

241 → 252CPM

となっています。

さらに6Sでは262CPM。

6Xでは270CPMです。

ただし、この表から、

「S=252CPM」

「X=270CPM」

と覚えてはいけません。

これは、あくまでこのシャフトと組み上げ条件で測定された実測値です。

250CPMと260CPMでは何が違う?

例えば同一条件で、

250CPM

260CPM

のドライバーがあったとします。

数字上では260CPMの方が、1分間に10回多く振動します。

したがって、振動数で見れば260CPMの方が硬めです。

ただし、

10CPM=1フレックス

とは決まっていません。

ここは非常に重要です。

メーカーやモデルによって、R・SR・S・XとCPMの関係は変わります。

さらに、振動数だけではシャフトの先端、中間、手元の剛性分布までは分かりません。

そのため、

250より260の方が硬め

までは言えても、

260の方が性能が高い

とは言えません。

SPEEDER BOOSTは60Sまで見るとさらに分かりやすい

前回の記事では、SPEEDER BOOSTの40と50だけを例にしました。

しかし、ご指摘の通り60Sまで入れた方が分かりやすいです。

フジクラはSPEEDER BOOSTについて、公式に振動数参考値を公開しています。

測定条件は、

  • ヘッド重量200g
  • クラブ長45インチ
  • グリップ重量50g

で統一されています。

SPEEDER BOOSTフレックス振動数
40R194CPM
40S208CPM
50R208CPM
50S223CPM
60S232CPM

ここには、振動数を理解する重要なポイントがいくつもあります。

まず、

40S=208CPM

50R=208CPM

です。

フレックス表示はSとRなのに、振動数参考値は同じです。

さらに、

50Sは223CPM。

60Sは232CPMです。

同じSでも重量帯が変わればCPMも変化しています。

つまり、

R・Sという文字だけでは実際の硬さを完全には判断できない

ことが分かります。

同じ60Sでも232CPMと261CPMになる

さらに興味深い比較があります。

フジクラ公式は、同じ条件でSPEEDER NX GOLDの振動数も掲載しています。

60Sを比較すると、

SPEEDER BOOST 60S:232CPM

SPEEDER NX GOLD 60S:261CPM

です。

どちらも、

60g台・Sフレックス

です。

それでも振動数参考値には29CPMもの違いがあります。

これを見ると、

「60Sだから同じくらいの硬さ」

とは言えないことがよく分かります。

フレックスは、基本的にそのモデルの中で比較する表示として考えた方がよいでしょう。

同じ26 VENTUS TR BLUE 5SでもCPMが違う

さらに面白いのが、同じモデル・同じフレックスでも実測値が違う例です。

先ほどの「みんなのゴルフダイジェスト」の測定では、

26 VENTUS TR BLUE 5S=252CPM

でした。

一方、ゴルフのニュースの実測では、

26 VENTUS TR BLUE 5S=260CPM

となっています。

こちらは45.5インチ、PING G440 MAX、ヘッド重量202g(スリーブ込み)で組み上げたドライバーです。

同じ26 VENTUS TR BLUE 5Sでも、

252CPM

260CPM

という実測例があります。

これは、

「どちらかの数字が間違っている」

という話ではありません。

組み上げたヘッド、クラブ長、測定条件、測定機器などが違うため、数字をそのまま比較できないのです。

むしろこの例は、

CPMには必ず測定条件をセットで見る必要がある

ことをよく表しています。

クラブ長やヘッド重量でもCPMは変わる

振動数を比較するときには、

何インチで組んだのか

も確認します。

一般的に、同じシャフトなら短く組むことで振動数は高くなりやすくなります。

一方、ヘッド側を重くすると、振動数は低くなる方向へ変化します。

ただし、その変化量は一定ではありません。

シャフト、クラブ長、ヘッド重量、チップカットなどで変わります。

したがって、

このシャフトは260CPMだから硬い

と数字だけを見るのではなく、

45.5インチ、ヘッド202gで260CPM

のように条件込みで記録することが大切です。

フジクラがSPEEDER BOOSTの参考振動数に、ヘッド200g・45インチ・グリップ50gと条件を明記しているのもそのためです。

CPMが高ければ良いシャフトではない

振動数は高ければ高いほど良いわけではありません。

例えば、250CPM付近が振りやすい人もいます。

一方、260CPM前後でタイミングが合う人もいます。

さらに、270CPMでも問題なく振り切れる人もいます。

それぞれ違います。

さらに、シャフトには先端、中間、手元の剛性があります。

振動数は便利な数字ですが、シャフト全体のEI剛性分布を一つの数字で表しているわけではありません。

そのため、同じ260CPMでも、

手元にハリを感じる。

先端が動く。

全体がしなる。

といった振り心地の差が出ます。

26 VENTUS TR BLUEの実測記事でも、5Sが260CPMだった一方、数値以上に剛性感を強く感じたとされています。

つまり、

CPM=体感硬度そのもの

ではありません。

SフレックスとCPMはどちらを見ればいい?

私は両方を見るのがよいと思います。

まず、

R・SR・S・X

で、そのモデル内の位置を確認します。

次にCPMを見ます。

すると、

「このSはかなり柔らかめ」

「同じSでも前のシャフトより硬そう」

といった比較材料が増えます。

例えば先ほどの、

SPEEDER BOOST 60S:232CPM

SPEEDER NX GOLD 60S:261CPM

を見るだけでも、Sという文字だけでは分からない差があります。

ただし最終判断は、CPMだけではなく実際の弾道と振り心地です。

ドライバーのCPMを比較するときに確認したい5項目

工房で振動数を測ってもらったら、私は次の5項目を一緒に記録することをおすすめします。

項目確認する理由
振動数硬さの参考値
シャフト名・フレックス比較の基本
クラブ長CPMへ影響する
ヘッド重量CPMへ影響する
クラブ総重量振り心地の比較に使える

可能なら、バランスも残しておくとさらに便利です。

例えば、

Diamana PD 50S/45.25インチ/○○CPM

のように記録しておけば、次に別のシャフトへ替えたときの比較材料になります。

単に、

「Sを使っていた」

より、はるかに多くの情報を残せます。

参考|アイアンのCPMはドライバーとは分けて考える

アイアンにも振動数という考え方があります。

ただし、この記事では補足程度にします。

アイアンはドライバーより短く、ヘッドやシャフトの重量も大きく異なります。

そのため、アイアンでは300CPM台の数字が出ても不思議ではありません。

重要なのは、

ドライバー260CPMとアイアン350CPMを直接比較しないこと。

アイアンは、

5I → 6I → 7I → 8I

のように、セット内で振動数がどう流れているかを見る方法があります。

これを振動数フローと呼びます。

アイアンの振動数については、必要なら別記事に分ける方が分かりやすいでしょう。

振動数は「自分の基準」を作るために使う

CPMの便利な使い方は、

世間一般の硬さを決めることではありません。

自分が打ちやすかったクラブの数字を残すことです。

例えば、

以前のドライバーが255CPM。

新しいドライバーが267CPM。

そして新しい方がタイミングを取りにくい。

このような場合、

「少し硬い方向へ行きすぎたのかもしれない」

と考える材料になります。

反対に、245CPMでは頼りなく感じ、255CPMで安定したなら、それも自分の基準になります。

つまりCPMは、

自分に合うシャフトを探すための比較用データ

として使うのが最も実用的です。

まとめ|250・260CPMはドライバーの条件をそろえて比較する

振動数CPMは、シャフトの硬さを見るための指標です。

この記事で扱った250~260CPMは、主にドライバーシャフトを組み上げた状態で考えています。

同じ条件なら、

250CPMより260CPMの方が硬め

です。

ただし、

10CPM=1フレックス

ではありません。

SPEEDER BOOSTでは、40Sと50Rがともに208CPM。

さらに60Sは232CPMです。

同じフジクラの60Sでも、SPEEDER NX GOLDなら261CPMという参考値があります。

また、最新の26 VENTUS TR BLUE 5Sでも、国内の実測記事では252CPMと260CPMの例があります。

だからこそ、CPMは数字だけを切り取らないことが重要です。

シャフト、フレックス、クラブ長、ヘッド重量、測定条件。

ここまでセットで確認します。

そして最後は、実際の振り心地と弾道を見る。

これが、ドライバーシャフトの振動数を正しく使う考え方だと思います。


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