女子プロゴルフの永久シードは、何勝すれば獲得できるのでしょうか。
現在のJLPGAでは、ツアーで公式に30勝した選手が永久シードを獲得できます。
2026年10月4日、申ジエ選手が日本女子オープンを制し、JLPGA公式通算30勝に到達。史上7人目の永久シード選手となりました。
ただ、申ジエ選手について調べていくと少し面白い点があります。
実は、日本での優勝は今回が32回目と数えられます。それでも今回が「公式30勝」となったのは、過去の2勝がJLPGAの通算優勝回数に算入されていないためです。
今回は申ジエ選手の快挙とともに、女子プロゴルフの永久シード条件や歴代選手について整理します。
申ジエが日本女子オープン優勝で永久シード獲得
2026年の日本女子オープンゴルフ選手権は、兵庫県の宝塚ゴルフ倶楽部旧コースで開催されました。
申ジエ選手は首位の桑木志帆選手と2打差の2位から最終日をスタートします。
72ホールを終え、両者は通算11アンダーで並びました。
勝負はプレーオフへ。
3ホール目で申ジエ選手がバーディーを奪い、悲願だった日本女子オープン初優勝を決めました。
JLPGA公式によると、この優勝でJLPGAツアー公式通算30勝。史上7人目の永久シードを獲得しました。
さらに、日本女子オープン制覇によって史上初となる「公式競技4冠」も達成しています。
女子プロゴルフの永久シード条件はJLPGAツアー30勝
永久シードの条件は、現在のJLPGAトーナメント規定で明確に定められています。
2026年度JLPGAトーナメント規約・規定集では、永久シード選手について次のように規定されています。
JLPGAツアーで30勝した者。
TP単年登録や臨時アマチュア登録での優勝も、条件を満たせば含まれます。
シード期間は「翌日より永久」です。
通常のシードは、その年の成績やランキングなどによって翌年の出場資格を得ます。一方、永久シードは一度獲得すれば毎年取り直す必要がありません。
30勝という数字だけでも相当なものですが、それを長いツアー生活の中で積み上げなければならないところに、この資格の重みを感じます。
申ジエは実際には32勝|なぜ公式記録は30勝なのか
今回、特に気になったのがここです。
JLPGAは申ジエ選手を「通算30勝」としていますが、日本で行われた大会での優勝をすべて数えると、今回が32勝目になります。
公式通算勝利数に算入されていないのは、次の2大会です。
- 2008年 ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ
- 2010年 ミズノクラシック
2008年のPRGRレディスでは、申ジエ選手は日本ツアー初出場でいきなり優勝しています。
当時のJLPGA公式記事にも優勝記録は残っています。
しかし、当時はJLPGAツアー選手としての登録前で、招待選手としての出場でした。この勝利は現在のJLPGA公式通算勝利数には入りません。
もう一つが2010年のミズノクラシックです。
申ジエ選手はこの大会でも優勝しましたが、当時は米女子ツアーの資格で出場していました。
JLPGAの当時の記事でも「米ツアー今季2勝目」として紹介されています。
GDOの検証記事では、こうした出場資格の違いによってJLPGAの公式勝利数に算入されない仕組みが詳しく説明されています。
つまり、今回の日本女子オープンは「日本で30回目の優勝」という意味ではありません。
実際に日本で勝った回数としては32勝目。しかし、永久シードの判定に使われるJLPGA公式通算勝利数が30勝に到達した。
こう考えると分かりやすいと思います。
永久シード選手は申ジエを含めて史上7人
申ジエ選手の加入で、JLPGAの永久シード選手は7人となりました。
| 選手 | JLPGA公式通算勝利数 |
|---|---|
| 樋口久子 | 69勝 |
| 涂阿玉 | 58勝 |
| 不動裕理 | 50勝 |
| 大迫たつ子 | 45勝 |
| 岡本綾子 | 44勝 |
| 森口祐子 | 41勝 |
| 申ジエ | 30勝 |
歴代の通算勝利数は、JLPGAの国内通算優勝回数で確認できます。
こうして並べて見ると、本当にすごい選手ばかりです。
個人的には、不動裕理選手の通算50勝という数字にも改めて驚きます。
永久シードの条件が30勝と聞くだけでも十分すごいのに、そこからさらに20勝です。
50勝というのは、とんでもない数字ですね。
不動裕理選手は2004年に30勝へ到達し、当時27歳285日で史上最年少の永久シード選手となりました。
JLPGAの記録を見ると、初優勝から永久シードまでのスピードも驚異的です。
そこから最終的に50勝まで積み上げたわけですから、長期間トップで勝ち続けることの難しさを考えると、改めて別格だと感じます。
永久シードの条件は昔から30勝だったわけではない
永久シード制度の歴史を調べると、最初から30勝が条件だったわけではありません。
JLPGAの永久シード制度の歴史によると、1991年までは別の条件がありました。
当時は、日本女子オープンゴルフ選手権と日本女子プロゴルフ選手権大会を、それぞれ2回優勝した選手に永久シード資格が与えられていました。
1992年に「ツアー30勝以上」という条件が追加されます。
これによって、涂阿玉選手、岡本綾子選手、森口祐子選手が永久シード選手となりました。
すでに資格を持っていた樋口久子選手、大迫たつ子選手と合わせて5人。
その後、2004年に不動裕理選手が6人目。そして今回、申ジエ選手が7人目となりました。
20年以上、新しい永久シード選手が出ていなかったことになります。
申ジエは史上初の公式競技4冠も達成
今回の日本女子オープン優勝には、永久シード以外にも大きな意味があります。
申ジエ選手はこれまで、JLPGAの主要な公式競技を次々と制してきました。
そして今回、日本女子オープンが加わったことで、史上初となる公式競技4冠を達成しています。
永久シードの30勝目。
悲願だった日本女子オープン初優勝。
さらに公式競技4冠。
これだけの記録が一つの優勝で同時に決まったことを考えると、申ジエ選手にとって特別な1勝だったのだと思います。
永久シードと通常のシードは何が違う?
| 種類 | 考え方 | 期間 |
|---|---|---|
| 通常のシード | ランキングなど毎年の成績で獲得 | 原則として一定期間 |
| 永久シード | JLPGA公式通算30勝 | 翌日より永久 |
JLPGAには公式競技優勝などによる複数年シードもあります。
ただ、「永久」という資格は別格です。
ランキングを維持するだけでも大変なプロの世界で、30回勝たなければ手に入りません。
長くツアーへ出場すれば届く数字ではなく、何度も優勝争いを制して初めて到達できます。
申ジエは今後どこまで勝利数を伸ばすのか
永久シードを取ったからといって、申ジエ選手のキャリアがここで終わるわけではありません。
JGAによると、申ジエ選手は世界で60勝以上を挙げています。
韓国、米国、日本と主戦場を変えながら、長い期間トップレベルで戦い続けてきました。
38歳で今回の日本女子オープンを制したことを考えても、まだ勝利数が伸びる可能性は十分あります。
これまでは「永久シードの30勝まであと何勝」という見方がありました。
これからは、公式30勝をどこまで伸ばしていくのか。その点にも注目したいです。
女子プロゴルフの永久シード条件まとめ
現在のJLPGAで永久シードを獲得する条件は、JLPGAツアー公式通算30勝です。
申ジエ選手は2026年の日本女子オープンを制し、公式30勝へ到達。史上7人目の永久シード選手となりました。
ただし、実際には公式記録に算入されていない2勝があります。
それを含めれば、日本での優勝は今回が32勝目です。
30勝するだけでも途方もない数字ですが、歴代を見ると樋口久子選手69勝、涂阿玉選手58勝、不動裕理選手50勝。
永久シード選手がわずか7人しかいないことも含め、女子ツアーで勝ち続ける難しさがよく分かります。
申ジエ選手の今回の優勝は、単なる「今季1勝」ではありません。
永久シード、公式競技4冠、そして日本女子オープン初制覇。
記録にも記憶にも残る1勝になったと思います。
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